Vision

世界一の長寿国である日本にとって孤独や介護は身近な問題です。特に高齢化や核家族化が顕著な都市圏では、病気をきっかけにそれまでの暮らしに戻ることができないのではないか、一人暮らしの家族が心配などの課題を抱えています。そしてその社会的負担は将来にわたり若者たちの負担となっています。私たちはウェルビーイングを全ての人々が持つべき権利として捉え、病気や怪我の治療後の悩みや不安を抱える個人や家族が希望を失わず前向きにその人らしく自身の生活を豊かに暮らせる共生社会の実現を目指します。

本拠点における”Theory of Change”

本拠点では、ありたい社会の実現に向けて参画機関の皆さんと”Theory of Change”を共創しています。
以下の”Theory of Change”は、患者さんや後病者の方、医師、看護師、自治体職員、ヘルスケア企業の方々のインタビューを踏まえ、バックキャストワークショップで議論して作成したものです。

拠点・プロジェクトの構成図

本拠点では、拠点ビジョンの下に3つのターゲットを設定し、その下で研究開発課題を推進しています。Health Commons Co-creation Platform(HCCP)という研究開発と事業化のプラットフォームを構築・運営し、様々な研究シーズの社会実装を目指しています。

2つのコミュニティ形成と繋ぐプラットフォーム(HCCP)

本拠点では、「ケアのコミュニティ」と「研究開発・人材育成のコミュニティ」を形成し、それらをデジタルプラットフォームでつなぎ、その相互作用を通じて新しい価値の創造とサービス提供を実現していきます。

Approach

例えば認知症の人は、運転が危ないから、迷子になると困るから、などという理由から外出がままならないなど暮らしの中に制限がかけられているのが実情ですが、周囲の理解やサポート体制があれば認知症と向き合いながら社会との接点を失うことなく暮らすことができるでしょう。そこで本拠点の趣旨に賛同する産学公民が集まり、分散している医療情報、介護情報、ヘルスケア情報を繋いでデータ基盤を構築し、そこに社会学から情報科学、生命科学に至るまでの最先端の知を融合して個人に寄り添う技術やサービスを開発してまいります。本ビジョンのもとに、多様な人々の知識・技術・アイデアから社会的価値を創出し、新しい産業の創出と社会システムの構築を自治体、企業、スタートアップ等と連携して進めます。社会実証研究では、構築される社会システムの効果・影響をSDGsの観点からも評価・検証し、これらのサービスとシステムが広く、効果的に市民と社会に展開されていくことを目指します。